指の不思議         大阪 三雄

●「指折り数えて」−こんな言葉をよく聞くことがある。人の思いが強く伝わってくる言
 葉である。

  考えてみると、昔からそのまた昔から人間は、指を使って数を数えて来たと思える。
 その場合、自然に十本の指を使って数というものを把握していたのであろう。そのよう
 に考えると人間が暮らしの中で「十進法」をあみだし、それに慣れ親しんできたことは
 至極当然のことと言えよう。

  しかし今日の生活は、まるで「二進法」に取り囲まれたそんな生活でもある。まさに
 情報化社会というわけである。変われば変わるものだ。

  指を見ながら、ひょっとして今まで気がつかない「数のとらまえ方」があるのではな
 いか−そんな思いにとらわれることがある。

 昔ラジオでこんな話を聞いた。ある外国の漁村で指を使って掛け算・足し算をして
 
100までの数を数えていたという話である。真偽のほどは判らないが、その内容に驚か
 された。


   紹介してみよう。(少しご面倒をおかけいたしますがお許し下さい)




   2本の手は、それぞれ5本の指を持っている。その両手の5本の指を折り曲げたり、立
 てたりして計算をするのである。この場合「5」が、あくまで基本である。
  具体的にトライしてみよう。

 * 海岸に並べられた今日の魚の収穫は、大きな魚5本の入った箱7つである。
  そこで両手を広げて、まず左手の5本の指で魚の数を表す―魚5本であるので、5本の
  指を立てたままにする。次に右手の指で箱の数を表す―数が7つなので
5本の指では
  数えられない。そこでどうしたかと言うと、7は5より2つ多いので、多い部分を指
  を折り曲げて表現する。右手の指2本を折り曲げるのである。つまり右手は、
2本の
  指が折れ曲がって
3本の指が立っている。そこで次に合計を計算することとする。 
 
  まず折れ曲がった指1本それぞれを10として数える(ここんところは、理屈抜きに
  基本のル−ルとして覚えて欲しい)。つまり右手の折れ曲がった指
2本で20と計算す
  る。その次に、立っている指―左手では
5本、右手は3本、それぞれを掛け合わせる
  (基本ル−ル
25本×3本=15と計算する。最後に先ほどの20とこの15を合計する。
   そうすると合計201535である。
  大きな魚5本の入った箱7つで合計魚35匹と計算された。
  最初両手を使って指
5本ずつで、どうして5以上の数字2つの掛け算が出来るのか、
  わからなかったが、これこそ目から鱗である。

 * 練習することにする。今日の魚の収穫は、魚6匹の入った箱8つである。
  左手で6匹を表す。6は5より1つ多い。それで指1本折り曲げる。そうすると左手1
   本の指は折れ曲がり、残る4本の指は立っている。次に魚の箱8つを右手で表す。
  85より3つ多い。指3本折り曲げる。右手は指3本折れ曲がり、指2本は立っている。
  次に合計を計算する。両手で曲がっている指は、左手で指
1本、右手で指3本。
  合計4本で4×1040となる。そして立っている指左手4本、右手2本。
  
掛け算して4×2=8。合計40848となる。
  魚6匹の入った箱8つで合計魚48匹と計算された。

 * 今日の収穫は、魚9匹の入った箱9つである。
  左手、右手ともに9なのでそれぞれ指4本折り曲げる。立っている指は左手、右手そ
   れぞれ残る指1本ずつとなる。 折れ曲がった指合計8本。つまり8×10=80
  立っている指を掛け合わせる。1×1=1。合計80181
  魚9匹の入った箱9つで合計魚81匹と計算された。

 * 最後に100である。魚10匹の入った箱10である。
  左手、右手それぞれ指5本ずつ折り曲げる。折れ曲がった指1本で10と計算するので、
  全体で折れ曲がった指
10本で10×10100となる。

  魚10匹の入った箱10で合計魚100匹と計算された。

   厳密に言えば、この計算はそれぞれ5以上の掛け算の場合ではあるが、それにしても
  まさに「指の不思議」である。気持ちと頭を常にフレッシュにしておきたいものだ。

  そして何故神様は、我々人間に10本の指を下さったのであろうか。
 10の意味するところは、満ちた状態、完全パ−フェクトな状態で、心が円(まどか)であ
 る。
  そんな人間の願望のようなものを表現しているのではないかと思う。

 両手を合わせて仏様にご先祖様に祈る姿に―5本の指と5本の指が合わさった10本の指の
 表現に人の心が象徴され、西洋の握手に自分の
5本の指と相手の5本の指が合わされ10
 して心が通う。そして世界が平和でありますように。

お便り 4月